BGM制作の詳しい作業工程(幻想的楽曲編)

BGM制作をする上で、頭の中の音をどのように作曲ソフト上で形にしていくのか、幻想的BGMの曲を例に作業工程をお見せしようと思います♪
DTMがどういったものか?作曲制作の大きな流れについてはこちらを参考に。

作ってみるBGMはこちら!

まずはざっくりメロディと和音(コード)を作る

曲によっても変わりますが、幻想的BGMのように世界観の濃い音楽を作る際はメインとなるメロディから作ることが多いです。

最初は楽器も何も持たず、鼻歌でテキトーにメロディを作っています。
これは僕だけではなく、みなさんが聴いている世の中のヒットソングも、だいたい作曲者の何気ない鼻歌や口笛から始まるものです。

自宅でいいメロディが思いつけば即パソコンに向かって音を入力出来ますが、出先で思いつく場合はスマホのボイスメモや動画などに口笛を吹いて記録しておきます。

出来たメロディとコードをDTMソフトに入力している様子がこちら。

※和音(コード)はあとで楽器に置き換えるため、仮でこのように入力することが多いです。

パソコンに接続するタイプのキーボードを用いて音を入力するクリエイターも多いですが、僕はマウスでポチポチと地味な作業を繰り返して制作しています。

ギターやオーケストラなど、楽器を入れて世界観を作っていく

楽曲の世界観を演出するのに、楽器選びはとても重要なことです。
今回のBGMでは、しっとりと落ち着いた雰囲気に仕上げたいので
アコースティックギターとオーケストラに和音(コード)を分散させて演奏させます。

演奏はレコーディングではなく、全てマウスで音を入力しソフトウェアによる自動演奏です。
最近のソフトウェア音源はクオリティが高いので、実際にプレイヤーが演奏しているのと全く違いがない仕上がりです。

いかがでしょうか。
マウスの入力だけでここまでの演奏ができるのです。

必要に応じて別のメロディも入れてみる

今回のBGMはずっと同じメロディが続く曲ですので
いかに展開を作って飽きさせない曲にするかを考えて制作しました。
そこで、メインのメロディを邪魔しないように、このような別のメロディを入れてみます。
※作曲家界隈では裏メロと呼んでます。

このように、展開や表情をつけて曲を組み立てていく。
BGM制作はこれの繰り返しです。

ある程度形になったら音量調整(ミキシング)

BGM制作 音量調整(ミキシング)
BGM制作 音量調整(ミキシング)

使用楽器が増えてきたら、メインとなる楽器、後ろに徹する楽器の優劣をしっかりと整理する必要があります。基本的には音量で優劣をつけます。

音量調整は、スピーカーやヘッドホンを用いて、音作りに適したモニター環境のもとで行います。
ヘッドホンは、複数使い分けて音量調整することもあります。
これはリスナーがどの音響機材で楽曲を聴いても、音量のばらつきなどの違和感がなく音楽を楽しめるようにするためです。

これをミキシングといいます。

最後に音圧を上げて完成!(マスタリング)

ミキシングが終わった段階では、まだ全体的な音量が小さいままですので、最後は音圧を上げて楽曲に迫力を出していきます。

これをマスタリングといいます。

マスタリング前とマスタリング後を聴き比べると、音量や音圧に違いがありますよね。

マスタリング前
マスタリング後(音量注意)

まとめ

以上がひとつのBGMが完成するまでの作業です。

みなさんが聴いているCDやラジオでかかる音楽も必ず

楽器やメロディの打ち込み・レコーディングをして曲構成→ミキシング→マスタリング

この作業工程を通って、世に出されているのです。

昔はこの3つの工程を、各エキスパート・エンジニアがそれぞれ担当しているのが主流でしたが
近年ではDTMソフトが安価かつクオリティが高くなったということもあり
全ての工程をひとりで行うクリエイターがかなり増えています。
あのPerfumeでおなじみの作曲家・中田ヤスタカ氏もそのひとりです。

まだまだDTMの分野は発展途上ですが、作曲家にとって、とても便利な時代になりました。
この記事をみて少しでもDTMに興味を持たれた方、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

KEN.XI

シンセサイザー&ギターを操る、宇宙サウンドクリエイター。
Apple Musicやspotify等でオリジナルトラックを世界配信している。
DTM楽曲制作ノウハウのブログも公開中。